今日は公休日。在籍児童が通う高校の学園祭に、2校かけもちで行ってきた。
あいにくのお天気で、どちらの高校も来場者の数は少ないようにみえたが、在校生たちはそんなことおかまいなしに盛り上がっていた。
つまり客が来ようが来まいがとりあえず身内で楽しめればいい、それこそが学園祭の真骨頂。正解だと思う。
さて、午前中おじゃました学校では、けっこう激しい雨にあった。
その時はちょうど屋根のある渡り廊下に私はいて、テントがずらりと並ぶ中庭、ふりだした雨に皆さん大騒ぎしている様子をぼんやり眺めていると、あの山下敦弘監督「リンダリンダリンダ」のラストシーンを思い出した。
やはり高校の学園祭が舞台の映画で、軽音楽部の女の子バンドが突然のリードボーカル交代(しかも新しいボーカルはバンド経験がないどころか、日本語さえおぼつかない韓国からの留学生!)というアクシデントを乗り越えて、無事体育館でのステージをやりきる、というお話。
「一秒一秒痛ましくも美しくきらめきながら、一秒一秒みているそばから思い出になっていく、青春の時間そのものを、観客が登場人物達といっしょにリアルタイムで体験できる映画」。はじめてみた時に、そんな感想文を書いたのをおぼえている。
おそらく私の個人的オールタイムベスト青春映画部門の10位以内には確実に入るであろう作品だ。(どうでもいいけど)
あの映画のラスト。
体育館でブルーハーツの「終わらない歌」を演奏する彼女たちの姿に、激しくふりしきる雨の中、学園祭の後片づけが終わった校内の様子、食べ物のポリ食器でいっぱいになったごみ箱、廃棄されるため山積みされた色とりどりの立て看板などのショットがインサートされていく。
それらはまさに、一秒一秒みているそばから思い出になっていく青春の時間、その美しさと痛ましさをスクリーンに定着させたものであり、それゆえ、つまり「リンダリンダリンダ」は、このような、映画でしかできない表現に成功しているがゆえに、優れた青春映画たりえていると、私は思うのだ。
渡り廊下に立って、雨ふりしきる中庭を眺めながら、あのラストの映像を頭の中で再生していた。
もちろん、BGMはブルーハーツの「終わらない歌」だ。
♪終わらない歌をうたおう
くそったれの世界のため
終わらない歌をうたおう
すべてのくずどものために♪
いや〜、青春って、ほんと、いいものですね。(笑)