「エンチョーセンセ、ちょっとちょっと!」。
こないだの土曜日です。小学5年生のMちゃんが、ほっぺたを少し紅くして、事務所に飛びこんできました。
「ちょっと来て!来て!すごい夕焼け!」。
誘われて事務所を出ると、Mちゃんは、学園のエントランスから公道へとつづく急な坂道を駆けあがっていきます。
「俺、足ケガしてるんやけどな・・・」。
じつはお恥ずかしい話、ひと月ほど前に右足首を骨折し、先日やっとギブスがとれたばかりの私は、そんな弱音を吐きつつ、まだうっすらと残る痛みをごまかしながら、Mちゃんの後を追って、ゆっくり坂を登りました。
そこに、素晴らしい夕焼けが、ありました。
東神戸から芦屋・西宮にかけて広がる街並み。六甲の山すそに拓けた住宅街。大阪湾の広がりと水平線。
それらすべてをやわらかなパステルピンクに染めて、じつに見事な夕焼け空がありました。
その夕焼けは、一見ピンク一色と思いきや、よく見ると、白がある、黄色がある、淡い紫がある・・・いや、何色とも俄に同定できない、それこそ無数の色の氾濫に彩られておりました。
「絵で描いたみたいやなあ」。
思わず陳腐なことを言って、すぐに後悔しましたが、チラッと横を見ると、Mちゃんはこっくり頷いて同意を示し、それから「ふふん!」と少し得意そうに微笑んでくれました。
こんな綺麗な夕焼けを見るのは、何年ぶりでしょうか。
そういえば子どもの頃は、よく外で遊んでいて、夕焼けの美しさにボケーッと見ほれた記憶があります。
昔も今も「綺麗な夕焼け」があらわれる頻度はそんなに変わらないはずなのに、大人になってからの私は、ほとんど「綺麗な夕焼け」を見ていない。いや、「見ていない」のではなく、たぶん「見つけることができていない」のです。
この日の夕焼けも、彼女が教えてくれなければ、たぶん見逃していたことでしょう。
そう、子どもたちには、かつて私にもあったけど今はもうすっかり失ってしまったかもしれない「夕焼けを見つけるチカラ」があるのですね。
さて、そんなに心を動かされた夕焼けであれば、せっかくインターネットのブログなのだから、画像でも掲載すればなお親切だと思うのですが、じつはその時写真を撮るのを忘れてしまって。(iPhone、持ってたんですけどね)。すみません。写真を撮るのを忘れてしまうぐらい綺麗な夕焼けだったということで、どうかご勘弁のほどを。
※ホームページをリニューアルしたついでに、ブログをはじめることにしました。まあ、いつまで続くか自信はないのですが、こんな感じの身辺雑記を思いついた時に書き連ねていこうと思っています。気が向いたら読んでくださいね。